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管理人:しん 職業:大学生 血液型:B
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まーくんについてby貴尚

まーくんの名前は河田雅紀っていいます。まーくんはまーくんて呼ばれるのを嫌がるので、ここからは雅紀にするよ。
雅紀は僕の恋人です。僕のことは書かないよ。あえていえば僕は雅紀と同じ大学にある医学部に通う落ちこぼれです。
雅紀は21歳で僕と同じ大学の工学部に通っています。
僕は落ちこぼれだけど、雅紀は工学部で知らない人はいないくらい優秀な学生です。すごいよね。
雅紀はいつも笑っています。笑った顔が僕は大好きです。そんなこと言わないけど。
でも、雅紀の笑った顔にはふたつあって、もうひとつは僕はあまり好きじゃない。
でもね、雅紀はいつも後者のほうで笑うから、僕の好きな雅紀の笑顔がとってもプレミアです。
このふたつの笑顔を知ってるのはきっと僕だけだと自負している。
雅紀すらきっと知らないんだ。
雅紀はとってもいいこだけど、いつも悲しそう。
それは雅紀と僕以外知らないんだ。僕と雅紀の秘密。
雅紀は今一人暮らしをしているけど、雅紀はずっと家族とうまくいかなかった。
ううん。違う人からみたら雅紀の家族は、もしかしたら問題なんてないって思うかもしれない。
でも、雅紀がずっと辛かったことは事実でね。
はじめて会ったとき、雅紀はそのときからとってもいいこだったけど、いつも薄くて堅い仮面で覆われていた。
触れることはできなかった。
雅紀はいつも笑って友達もたくさんいたけど、自分のことを話すことは一回もなかった。
彼の本当の気持ちは、彼の中の奥深くで乱暴に眠ってた。

彼は、雅紀は愛されなくて当然だと思っていた。
雅紀は自分はなんてめんどくさくて、しょうがないんだろうと思っていた。
雅紀は人に嫌われるのを極端に嫌がった。
だから気持ちは全部隠していた。気持ちをさらしていいことなんてないと思っていた。
それでいて、御世辞と嘘は大嫌いだった。
でも、うまくやるために御世辞と嘘を平気でつける自分がさらに雅紀は嫌いだったんだ。
雅紀はつねに自信がなかった。学年でトップでも、教授に気に入られても、雅紀の自信となるものにはならなかった。
でも
雅紀の心にはまたふたつの思いが存在した。
それを雅紀は知っていたんだ。
だから余計に苦しかった。
自信がないのは本当。だけど、ほんとうは本気をだして否定されるのがいやだから、いつも自信なさげにしているんだ。否定されるのが怖い。だけど、それだけでは苦しい。でも自信過剰にはなれない。
ぐるぐる雅紀の中をそんな気持ちが廻った。
だれに話すこともなく、ひとりで、ずっとひとりで考えた。
そんなとき、彼の家族は無神経だった。

彼はずっと胃薬を持っていた。
これが安定剤なんだといった。
ストレスに弱い自分が嫌いだといった。
本当はこんなこと他人にしたらなんでもないのに、といった。
僕は、でも雅紀がつらいって思うんだから、それはつらいことなんだよ。
って言ったら、
雅紀はまた仮面の顔で笑った。

雅紀は可愛かった。
僕はひとめぼれだった。
でも雅紀は恋愛を非常に怖がっていた。
雅紀は自分は愛されなくて当然だと思っていた。
愛する自信も持っていなかった。
僕の言うことはしばらく信じてもらえてなかった。もしかしたらいまもそう。
でもそんなことは言わなかった。
不安をぶつけることはよくないと彼は思っていた。
雅紀は僕を愛してくれたけど、僕の本当に欲しいものはくれない。
雅紀もそれは知ってる。だけど、長いこと同じ気持ちにとらわれていたから簡単にはあげられなかった。
僕は全部可愛いと思う。
でも、雅紀は信じてくれない。
いまはそれでもいいんだ。雅紀はゆっくりゆっくり大事なことを知る必要があるんだ。

つきあってもながい間、体を許してくれなかった。
雅紀は自分の体にとてもコンプレックスがあった。
僕にしたら大好きな雅紀のからだなんだもの、コンプレックスでさえかわいいと思う。
それでも雅紀は怖がった。
泣きそうな顔を見るたび、僕の心は苦しくなった。
雅紀もきっと苦しかった。

雅紀のからだには古傷から、そうでないのから、たくさんあった。
でも決まって、体の中心にちかいところ。
同じ場所に、たくさんの傷があって。
多分、傷がいえてはまた傷つけて、を繰り返したんだろうなって容易に想像できた。
だけど僕は言わなかった。かわりに優しく唇で触れた。
はやくなおりますように。
そう願って。
でもきっと消えたらまた痛々しい切り傷ができるんだろうなって思った。
白めの肌の上に茶色く老けた色の切り傷の跡。
普段ひとのめにつくようなところにはなにもなかった。
だれも知らない傷。
僕だけがそれを知ることができて、唯一、雅紀の本音を聞けた気がしてうれしかった。
胃薬よりも精神安定を図るものだったんだろうなって、
その傷を見つめてそう思った。
雅紀はひとに心配されることが嫌いだった。
だから見えないところに。
ひとつひとつ悲しみをひいた。
心の痛みは、体に還して。
きっと雅紀のことだから、生涯だれにも体の深いところを見せるつもりなんてなかったんだろう。
だれにも愛されないからだに罰を。


可愛い僕の王子さま。
僕が君をすきな気持ちに嘘なんてない
君の全てを僕に見せて
僕が全部うけとめてあげるよ

人を好きになるのって
もっと楽しくて、幸せなことだよ。


 

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